中国で単身生活をすることになったTADAの日々の感じた事を気ままに書いてます。


by wata1150
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ある中国企業の経営危機

オリンピックが始まって2週間、間もなく閉会式を迎えようとしている。中国の経済もオリンピックをカンフル剤にして・・・などという期待もあったが、なかなかそうは問屋がおろさないようである。

景気が悪い原因はいくつかある。
1.新雇用労働法が改定され、結果として企業の人件費率は上がってしまった。
2.年率10%を越すインフレ進行による諸物価の高騰
3.インフレ抑制策として打ち出された、銀行の貸出金利の引き上げや貸し渋り
4.米国のサブプライムローン問題に端を発した不景気による、米国向け輸出産業の業績悪化
5.石油価格高騰による影響
6.外資企業に対する、税金の優遇の撤廃
7.人民元の対アメリカドルの継続的な上昇
等々、挙げれば幾らでも出てくる。

しかし、こういった外的要因は、ある面で“企業側の言い訳”とも、受け取れるような気がする。

過日、ある客先のCという会社の緊急サプライヤー会議に出席する機会があった。C社は、創業以来20数年の従業員千数百人の中小企業で、いわゆる“置時計”や、“掛け時計”を専門に生産している会社である。最終客先には“ディズニー”などのブランドなどにも出荷されており、販売はそれほど悪くは無いらしい。

我が社も、C社との取引は長く、毎月10万元以上の取引を継続している。それが、今年4月頃から、支払いが滞ったというのである。そして、緊急のサプライヤー会議ということで、“これはまずいかな? 回収不能になるかな?”などという思惑を持ちながら出席した。

そして、サプライヤー会議上で、工場長が説明してくれた内容によると、従来競合していた同業のA社より、資金援助してもらうことになったという。そして、売掛金は全額支払われるが、部品納入は継続して欲しいということであった。我々としては、販売代金が回収できれば、出荷は問題ない。

その後、このC社の組織変更の話があった。従来C社は香港人のオーナーがその生産工場としてC社を設立したものらしい。アメリカを中心にして市場は順調に拡大していった。そして、現在でも十分に受注はされており、出荷されており、代金回収もされている。一見、この会社のキャッシュフローが悪くなるようには思えない。

A社の財務担当役員が説明をしてくれた。こういった製品は市場の流行があり、従って非常な多機種になってしまうのだそうである。しかも客先の納期指定は非常に短い。従ってメーカーとしては、多くの機種の在庫を大量に持ち、客先の注文に答えてきたのである。しかし、在庫がすべてある一定期間に出荷され、代金回収されていれば、大きな問題にはならないのだろうが、見込みを誤って、売れない製品の在庫を大量に持ってしまったら大変なことになる。オーナーはそう言ったことに目先が効く人らしく、あまり問題はなかったのだが、いかんせん年齢も高くなってきて、実際業務を若手にシフトしている最中であった。そして、売れない在庫を大量に抱える結果になってしまった。しかも、売れない在庫を抱えながら、売れそうな製品を更に加速して生産し、販売することでキャッシュフローを改善してゆこうとしたようである。そして、部品購入代金の支払いに問題が発生したということらしい。銀行からも融資を受けてはいたが、銀行側もインフレ抑制の政府方針から、金利上昇、貸し渋りという状況になり、C社としては、やむなくA社からの融資を受けることを決断したと言うことである。

C社の場合、約千数百万元の融資を仰ぎ、会社としては倒産を免れた。が、従来のオーナーは会社をA社に渡し、そのグループ会社になることになった。多くのA社のメンバーが経営改善の為、C社に移籍することになった。従来のC社のオーナーは香港のオフィスで、営業総責任者として仕事を継続することになったという。会社オーナーから、サラリーマンへの転身である。言って見れば借金返済のため、20数年やってきた会社を千数百万元で身売りし、自分はそこの一社員になったということであろう。このオーナーの気持ちはいかばかりか?

我々の会社はこのC社の件では、代金回収も出来、事無きを得たのであるが、一方で我々の会社を振り返ってみる必要があると思うのである。

我々の会社も会社の規模はC社とさほど違わない。また、2千数百の製品モデルがあり、そのいくつかは在庫運用しなければいけない。当然そこにリスクが生まれる。C社の会議の翌日、早速我が社のオーナーに報告した。C社の件は単なる他山の石ではいけないと言うことを話した。

最近は、中国でいろいろな企業情報に接する。ここ恵州でも、従来週6日稼動だった会社が、5日とか4日に稼動を落としている話とか、数千人の従業員を30%削減とか40%削減したとか言う話も耳にする。幸いにも我々の会社は電力制限による稼働日、休業日の変動はあるが、相変わらず週6日稼動を維持できている。

しかし、このC社に見られるような問題は、中国や香港、台湾企業に多々あるであろうし、日系とて例外ではないだろう。固定費削減、材料比率削減、販売経費削減と販売金額の拡大、管理制度の向上、管理システムの改善、従業員のモラル改善、など多くの課題を抱えながら、日々、一歩一歩、改善してゆくしかないと思う。
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by wata1150 | 2008-08-24 10:58 | ちょっと仕事