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中国で単身生活をすることになったTADAの日々の感じた事を気ままに書いてます。


by wata1150
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恵州の日本料理屋さん

日本人が生息するところには、その味や形、料金などはともかくとして日本料理屋さんが出来るものである。この現象は、別に中国に限ったことではない。世界中を見渡せば、パリにだって、ニューヨークにだってあるし、マニラやバンコックにだって日本料理屋さんは存在する。

日本から海外に飛び出した日本料理屋さんはそれぞれにそれぞれの国に同化し、中国的日本料理、フランス的日本料理などに姿かたちだけでなく、味までも変わってゆく。しかし、無論その国の大半の人にとっては、それが日本の味、日本料理として認識されてゆく。

さて、私が現在住んでいる中国広東省恵州市にもいくつかの日本料理店がある。もっとも、その数はさほど多くは無い。「山水」「大和」「一心亭」「高知」「都」「木村」など、せいぜい10店程度か。さらに、いくつかのホテルには日本料理と書いてあるレストランもあるが、値段は高くとも、内容的には大差は無いと思われる。なぜなら、恵州市に住んでいる日本人はせいぜい500人前後程度と推測され、旅行者を含めても1000人をこすことはほとんど無いと思われるからである。だから、日本料理店が乱立しても、過当競争で商売が成り立たなくなるだけであり、自然にその店の数は制限されてくる。

恵州市にある日本料理屋さんはほとんどが「日韓料理」としている。私が以前生活していた上海ではあまり見なかった店構えである。日本料理プラス韓国料理をメニューとしている。さしみ、てんぷら、焼き鳥、寿司、煮魚や焼き魚、煮物や焼き物、そして蕎麦やうどん類、おにぎりやお茶漬けに味噌汁などが中心的な日本風メニューになる。冬場にはしゃぶしゃぶや、すき焼き、寄せ鍋などの鍋物も供される。そして、キムチやビビンバ、チゲ、焼肉、冷麺などの韓国料理もメニューに載っている。また、鉄板焼きコーナーを備えているところも多く、カウンターの周りに客が座り、鉄板の向こう側に料理人が肉類や野菜などを鉄板の上で調理して、お客に出してくれる。

上海であれば、家庭料理だとか、寿司だとか、てんぷらとか、ラーメンとか、ある特定メニューだけで商売が成り立つのであろうが、ここ恵州では日本人だけでなく韓国人や中国人なども客層の対象として、呼び込んでいかなければならないのである。したがって、味付けも純粋な日本料理風味付けではなく、調理方法もまた日本のものとは違う方法で、中国人の口にも合うように、韓国人やその他の外国人の口にも合うように、すこしずつ変わってきていると思われる。私は、このような料理を“日本料理風中華料理”などと呼ぶこともある。

余談だが、これは別に中国に限ったことではないのではなかろうか。日本で中華料理を食べてみよう。日本人が食べるとなかなか美味しいと思いつつ食べる人が多いのではなかろうか?しかし、これを中国で生まれ育った人に食べてもらうと必ずしも“美味しい”とは言わないのではないだろうか。なぜなら、中国で生まれ育った人にとっては“中華料理風日本料理”と思えるのではなかろうか。それでも最近は、四川省成都に本店を置く陳麻婆豆腐の直営店が東京や横浜にオープンし、四川の味をそのまま供してくれるようになったり、本格的な中国の味を日本でも食べられるようにはなってきているが。

話を元に戻そう。しかしながら、恵州に住む我々日本人にとって、たとえ“日本料理風中華料理”であっても、日本料理店は貴重な存在なのである。なぜなら、日本料理は中華料理に比べ、油の量が格段に多く、日本で生まれ育った我々にとっては、健康上なかなか大変な問題だと思うからである。特に私のような年配者にとって大量に油を摂取することは、良いはずが無い。その点、少なくとも日本料理店では、自分で油の量を加減しながらメニューを選ぶことが出来る。これはなかなか重要なことである。したがって、会社や住居から距離が離れていても、メニューに値段が中華料理に較べて、格段に高価であっても、味が“日本料理風中華料理”であっても、週に何度かは足を運ばざるを得ないのである。
by wata1150 | 2008-03-11 10:08 | 恵州の事