中国で単身生活をすることになったTADAの日々の感じた事を気ままに書いてます。


by wata1150
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社内日本語教室

私が勤務する会社の経営体質を強化すること、これは会社と言う組織を運営する上で非常に大きく、かつ重要な課題である。が、今まで、小さなローカル企業として運営してきた会社が、こういったテーマを掲げて、社内活動として推進すると言うことは決して容易い事ではない。まして、旧態然として20年もの間何とか営業してきた会社にとってはいっそう困難なものがある。すでに出来上がっている企業文化を、すべてとは行かないまでも、打破してゆく必要があるからである。

理屈では解っても、具体策を実行してゆくことは、並大抵の困難さではないことを知らされた。それがこの社内日本語教室開講である。

従業員福祉、従業員へのサービスの一環として、社内日本語教室を開講してはどうか、という話を私が老板に持ちかけた。彼は、最初は「なぜ、なんのために、どういう効果を期待して、どのくらいの費用がかかるか」など、いろいろな疑問を投げ返してくれた。「日本語が話せれば、日本のお客さんが来たときに、挨拶ぐらいは出来るでしょう。将来、我が社を退職してからでも、再就職の道は広がるし、給料も上がるでしょう。我が社に残ってくれたら、通訳や、翻訳ができるようになって、日本との取引が増えたときに便利でしょう。そして、何より、従業員が我が社に少しでも魅力を感じてくれることになるかもしれない。」いろいろと議論をした。数日後、彼は、「日本語教室は良いかもしれない。」と、突然、了承してくれた。

彼の理由は簡単であった。従業員の入れ替わりの激しいローカルの小さな会社にあって、たとえ数%でも、定着率が上がることは重要なことである。しかし、従業員の最大の関心事は給料であり、たとえ一元でも高い会社に転職をしたがる。が、反面、相当な負担と苦労があるにしても、自分に投資したがるという習性がある。従って、会社で仕事をしながら、格安で、または無料で自分の能力アップ、スキルアップが出来るならば、給料はさほど高い訳ではなくとも、魅力的な会社になりうるのである。であれば、比較的安いコストで従業員の定着率を上げられるかもしれない。

それで、早速業務部のもう一人の経理に話しをし、彼も快く了解をしてくれた。そして、費用に関しても含めて、総経理を自分で説得してくると言ってくれた。総経理は中国語と広東語しか出来ないので、私との直接コミュニケーションは簡単ではない。最近、英会話を習い始めて、簡単な日常会話は少し出来るようになってきたが、やはり議論をするほどにはなっていない。従って、総経理への業務関係の話は業務部の経理に任せてきていた。

彼は、勢い込んで総経理と話に行ったのだが、あえなく打ち負かされて、すごすご戻ってきた。聞いてみると、どうも私が彼に説明した内容を、そのまま彼に話をしたらしい。で、それに対して一つ一つ突っ込まれて、一言も、返答できなかったようなのである。要は、表面上私が説明したことを聞いて、早合点で理解したつもりになっていて、実際は何もわかってはいなかったのである。「我が社は物を作って、売って利益を上げる会社であって、語学教室の会社ではない。仮に教室を始めて、日本語が上手くなったら、退社してほかの会社に高く自分を売り込むことが解っていて、なぜ日本語教室の必要性がある?」多分そのような質問をされて、答える事が出来なかったのであろうと想像する。

一方、講師をお願いしようとしている、私の秘書兼通訳のT小姐にできるかどうか聞いてみた。すると、意外な答えが返ってきた。「給料はいくらもらえますか?また、勤務時間外であれば、時間外手当ももらえますか?」私も驚いてしまった。彼女は至極当然と言った感じで聞いてきたからである。自分が以前アルバイトしていた恵州の日本語教室では一時間60元かそれ以上貰っていたらしく、それと同額を要求してきたのである。私としては、これも彼女の仕事の一環、位にしか考えていなかったので、時間外手当プラス少々くらいにしか、考えていなかったのである。「それは今から、総経理と交渉するから」と言って、その場は逃げてしまった。

しかし、冷静に考えてみれば、わからないでもない。彼女は湖南省出身で、両親や友人、恋人に合計一万元以上の借金をし、日本語教育のレベルが高いということで有名な、黒龍江省の、とある学校に単身留学したのである。そして、一年間相当な苦しい思いをして、ある程度の日本語をマスターしてきた。だから、日本語手当てとして、有る一定額の手当てを貰って、現在勤務できているのである。その日本語の力を無償提供あるいは、わずかな手当てくらいで提供することは、彼女として納得行かないのであろう。

私が、老板に再度話をして、総経理に話をつけてもらうことは難しくは無い。が、問題は総経理や業務部の経理、T小姐などを中心とするスタッフに開講することの意味を理解してもらわなければ、効果は半減してしまう。普段日本語で話をしている連中にでさえ、考え方の根底まで理解してもらうことは、きわめて困難なのである。

私が目指しているのは、6月中旬の開講。継続して、日本語、下手な英語と、拙い中国語を駆使して、私の考え方の理解を得られるように、再三の説得を試みなければならない。
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by wata1150 | 2007-05-12 23:01 | ちょっと仕事