中国で単身生活をすることになったTADAの日々の感じた事を気ままに書いてます。


by wata1150
カレンダー
S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31

我が社が大ピンチ?

春節も終わり、いつもの日々が戻ってきました。

私の所属する業務部でも、湖南省に帰省していたT少姐が木曜日から職場復帰し、全員が揃いました。そして土曜日、業務部の販売会議で、皆の現在の課題を整理していると、一人のセールスが、工場の作業者がいないため、せっかく受け取った注文書の製品の生産ができず、注文がキャンセルになった、というのです。

何?工場の作業者がいない??

そうなのです。春節で、四川省、湖南省、湖北州、安徽省、江西省など故郷に帰った作業者たちの何割かは、春節が終わっても工場に戻ってこないのです。理由はいろいろ有るのでしょう。家族と離れるのはイヤ!恵州まで戻るお金がない、学校に行く、仕事がイヤ、等等。また、恵州までは戻っても、少しでも給料のいい他社に就職してしまい、我が社には戻ってこない人もいると聞きました。今回我が社では春節前に比べ工場作業者に限っていえば半数の人が戻ってきませんでした。これでは、さすがに生産活動は継続できません。

人事を担当する部門では、作業者集めに必死だそうです。今日、日曜日で、歩いて15分ほどのところにあるスーパーに買出しに出かけました。すると、途中の道すがら、日系大手のS社、中国電気大手のT社その他数多くの会社が出店を開き、作業者募集のチラシを配っていました。我が社でも、スーパーのまん前に、人事担当課の若手女性が二人、テントを作り、道行く若い女性にチラシを配っていました。すぐ近くには、会社の従業員送迎用バスが、会社のロゴや従業員募集の内容を貼り付けて鎮座していました。その周りには人垣ができ、チラシを一生懸命読んでいたのです。

どこかの会社が配っていたチラシを覗いて見ると、賃金レベルは週8時間5日労働、昼食つきで1100元から1500元程度が相場のようです。これに、残業代などを追加すると最低でも1500元程度になってしまいます。なぜなら、週6日労働が当たり前で、土曜日は残業としてカウントされるからです。これを見てまたびっくり。数年前私が在籍していたM社の中国の外注工場では600元程度だったと記憶していたからです。

こうやって年々平均給料は上がってゆくということを肌で感じたしだいです。

中国は、よく世界の工場といわれます。それは、このような若い人たちを低賃金で雇って仕事をしてもらい、そして、安く世界に製品を供給しているから、ということが納得できます。それでも最近はより工賃の低い、タイやベトナムなどに生産工場をシフトする企業が多くなってきているといいます。反面、中国系は無論のこと、香港系、台湾系、日系や欧米系などの多くの企業が、依然として中国各地に工場展開しています。広東省では深圳と広州の間にある東莞や、中山、佛山、珠海などでは工場が集中しすぎて人材が集まらない、そのため工場を恵州など、その周辺都市などに展開するようになってきているといいます。同じことは上海周辺の昆山、蘇州、無錫、杭州、寧波などについても言えることです。それらの都市では、大規模な工業団地の造成、税金の優遇などの処置を講じて企業誘致を行っています。そして、当地恵州でも工業団地が次々に造成され、多くの企業が工場展開をし、そして、労働力の奪い合いが始まっているのです。

中国製造業の基本は安い、そして豊富な労働資源です。生産は、こんなことまで・・・!と思える内容の作業でも、完全な人海戦術が基本です。しかし、余りに工場が一箇所に集中すると、人口13億といわれる中国にあっても、人手不足という皮肉な現象がおきてしまうのです。

我が社では何時、作業者の数が揃うのでしょうか?何時から問題のない生産体制が整えられるのでしょうか。我が社では、昨年から人手不足解消、品質の安定化などという名目で自動組み立て機が稼動を始めました。今回の注文キャンセル問題は、工場が何とかやりくりをして生産し、納期に間に合わせることで、結果的に事なきを得ました。

今後ともこういった問題は、何度も再発するでしょう。そして、かき集めた作業に慣れていない人たちが作った製品が世界に出荷され、相も変わらず、”中国製品は、安かろう、悪かろう”といわれ続けることになるのかもしれません。我が社ではすでにそれから脱出すべく、経営トップ自らが、会社の体質改善、品質改善や技術力の向上を目指して動き出しています。しかし、それは短期間でできることではなく、またそこには労働者、経営者という関係における文化的な壁もあります。そして、なによりも、そういった経営者がまだまだほんの一握り以下に過ぎないということです。

私を含め、多くの中国で働いている多くの日本人の役割は、そういった環境下、企業文化の壁を壊し、中国文化と日本文化の融合された、新しい企業感に基づいた工場や会社を作り、、”中国製品は、安かろう、悪かろう”といわれないようにしてゆくことなのかもしれません。
[PR]
by wata1150 | 2007-03-04 19:55 | ちょっと仕事