中国で単身生活をすることになったTADAの日々の感じた事を気ままに書いてます。


by wata1150
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日本滞在記 福岡空港にて(1)

久しぶりに、福岡空港に降り立った。M社時代でも、国内ユーザ対応していた時分のことだから多分十数年ぶりになるだろう。当時は福岡空港に降りてからタクシーで博多の町に行くしかなかった。ま、バスはあったのだろうが、面倒くさかった気もする。現在では、地下鉄が走り、わずかの時間で博多駅まで運んでくれる。

さて、博多空港で2つの「親切」に出合った。
早めに博多空港に戻り、フライトまでは十分に時間が有ったので、空港のロビー内を散策することにした。一軒のレザークラフトショップが通路の真ん中に出店を開いていた。おしゃれなカバンやバック、キーホルダーやストラップなど、結構感じの良いものが並んでいた。

ふと、文庫本のホルダーが目にとまり、手にとって見た。なかなか良い皮素材で、使い込むほどに手になじむような感じがする。黒、赤、茶などに染められたものもあったが、手に触った風合いがとてもよい。値段は?とみると、4千数百円という値札が貼ってある。値段も悪くは無いと思った。店の所に中年の少し痩せた感じのおばさんが、私が手にとって微笑みながら私を見ている。

が、私は既に、約20年も使った、皮の文庫本のカバーを持っており、愛用してきた。すっかり手になじみ、手放せない幹事のものである。ある方から、贈り物でもらったものでは有ったが、これだけ使うととても愛着がある。たまたま、その時も、そのカバーを持ってきていた。

私は、バックを開き、自分の文庫本カバーを取り出した。風合いを比べるためである。私のカバーは、皮ではあったが、手に入れて以来何の手入れもしなかったので、すっかり乾燥し、がさがさであった。すると、それを見ていたおばさんがやってきて、「使い込んだカバーですね。手入れを怠らなければ、まだまだ使えますよ。」といって、やおら私のカバーを取り上げると、カウンターの中にあったオイルを取り出し、私のカバーにゴシゴシと塗り始めた。なにか刷り込む感じである。

わずか数分後、私の20年も使い込んだブックカバーはしっとりとした風合いの、手触りの良いカバーに変身していた。私は綺麗に変身したカバーを受け取り、とても嬉しくなって、おばさんとおしゃべりをしてしまった。「オイルは、市販のものでよいから、一年に一度くらいは塗りこんでやると、皮が長持ちしますよ。大切に使ってください。」話しは私のブックカバーにまつわる話とか、果ては私がその時にしていたベルトの皮素材にまで及んだ。

彼女によると、夫婦で、共同で、完全な手作業で革製品を作っているのだと言う。時々、空港や町のデパートなどで展示販売をしているとか。皮素材が好きでたまらないと言う。皮工芸の話のときは、目がとても輝いて素敵なおばさんだった。

そして、結局何も買わなかったが、おばさんの笑顔と親切、そして皮に対する愛情が伝わってきて、とても豊かな気持ちになって、そこを去った。

もう一つの「親切」は、また次回に。
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by wata1150 | 2007-02-19 11:47 | 日本滞在記