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中国で単身生活をすることになったTADAの日々の感じた事を気ままに書いてます。


by wata1150
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人民元切り上げ再び!

中国人民銀行が、人民元為替レートの切り上げを容認すると受け取れる発表をした。世界中の国々が望んでいた事態である。アメリカのオバマ大統領はいち早く歓迎の意を表したとか。しかし、具体的な切り上げ幅や時期などは依然として不明確なままである。
人民元切り上げ再び!_e0026744_12352988.jpg


しかしこれを、別な角度で見るとどうなるのか。たとえば日本円は?たとえば私が勤務するこの会社は?

私は専門化ではないので、いろいろなHPから専門家の意見を見てみた。総合してみると、円―ドルレートは、多少円高に振れる様子である。どのくらい円高が進むかは意見がまちまちでよくわからない。90円を多少割り込む程度というものから84円~85円程度まで円高が進むというものまで、いろいろな説がある。私個人としては、これ以上円高が進まないで欲しいと切に思うが。

一方、会社としてみるとどうなるか。基本的には、ますます経営は難しくなってゆくということである。

私が勤務する会社は香港系の会社であり、決算はすべて香港ドルである。香港ドルはアメリカドルとリンクしており、固定されている。しかしながら、工場は中国にあり、工場の経費はすべて人民元である。人民元がアメリカドルに対して高くなるということは、会社のすべてのコストが香港ドルベースで高くなるということである。一方、収入は、主な収入は販売収入であり、香港ドルまたはアメリカドルベースで設定されている。香港ドルベースの収入が同じであれば、工場のコストが上がって、収益を圧迫するということである。

これに対して会社としてどのような方策で運営してゆくのか。そうでなくとも工場のコストは上がっているのである。数日前に投稿したように、中国人の人件費は急上昇している。コストダウンなど追いつく暇も無い。スタッフや工場ワーカーの給料を上げなければ、すぐにでも、労働紛争が発生し、操業停止に追い込まれる。インフレも進んでいる。物価の伸びも普通ではない。

それでも材料費は輸入材を使うことで何とかなるとして、人件費の伸びは如何ともしがたい。直接、間接を問わず、作業合理化を進め、“人減らし”を進めてゆくしかないのか。営業的には販売を急速に増やし、固定費比率を下げてゆくか。そのためには、労働付加価値の低い製品を切り捨て、労働付加価値の高い製品に集中する事業構造の転換を進めるか。

以前勤務していた会社のスローガンに「選択と集中」というのがあった。いま、まさにその意味の重さをひしと感じている。
by wata1150 | 2010-06-22 00:32