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中国で単身生活をすることになったTADAの日々の感じた事を気ままに書いてます。


by wata1150
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シンガポールとタバコ

昨日のマレーシアジョホールバルーに続いて、インドネシアのジャカルタに行く。本来は荷物をシンガポールのホテルに置いたまま、ジャカルタに行き、客先との打合せをしてから同日にシンガポールに戻るという予定をしていた。しかしながら、午後ジャカルタ発シンガポール行きの飛行機の予約が取れないのである。着替えなどの荷物を入れたキャリアーケースを引っ張って暑いジャカルタを歩くのは苦痛なため、そういう日程にしたのであった。

飛行機が取れないと有らば仕方がない。荷物を持ってジャカルタに行き、トランジットホテルに荷物を預けて客先まで行くことにした。実はもうひとつ、シンガポールを早めに引き上げた理由がある。愛煙家である私は、シンガポールに再度入国するのがいやだったのである。ポケットにタバコを潜ませて、通関を通るのが気に入らなかったのである。何せえらい罰金が待っているのであるから。

シンガポールは以前から禁煙の国として有名である。しかし禁煙の国というのは正しくない。ひとつはきれいな国としてのイメージを保つこと。これは正しい。しかし、タバコ税による国家収入を増やすこと。これが最大の理由なのだ。その証拠に、町中に大きな吸殻入れがあり、多くのシンガポール人が其処に吸殻を入れてゆく。本当に禁煙の国ならば、町中に吸殻入れをおく必要がない。それと、シンガポールのタバコの税金はとても高い。免税価格の数倍の税金である。そして、町のコンビニなどで売られているタバコには一本ごとにマークが印刷されている。ちゃんと税金を払いました、という証拠である。しかしながらシンガポール税関では、相当に厳しくタバコの持込を監視しており、発見されると開封した箱の中身の一本単位で課税されるという。これはもう、多少異常に厳しいといわざるを得ない。税金を取り立てるための厳しさとしか言いようがない。

シンガポールがタバコ税を厳しく取り立てなければいけない理由は、シンガポール政府がお金がないからである。独自の産業を持たないシンガポールは以前は香港などと同じように貿易立国であった。インドやパキスタン、中東やアフリカ諸国とマレーシア、日本、中国、アメリカなどの貿易の集散地としてその位置づけは非常に重要であり、そういった貿易の手数料収入で大いなる利益を上げた。しかし、中東などに多くのフリーゾーンが出来ると、多くの貨物はシンガポールではなく、ドバイなどのフリーゾーンに集まるようになった。シンガポールの手数料が高すぎるようになったからである。そうして、シンガポールの収入は大幅に落ち込んだのである。

その結果、タバコ税などの大幅な増税が行われ、また厳しく徴収されるようにした。一方、収入源を補うため、カジノが導入され始めている。マカオなどと同じくカジノに訪れる客が落とすお金を期待しようということである。カジノは、私が思い描くクリーンなシンガポールのイメージには似つかわしくはない。しかし、シンガポール政府はクリーンだが超貧乏なシンガポールではなく、以前にもましてリッチなシンガポールを選んだということである。今後どれだけのお金をシンガポール政府が手にするのかはわからない。

そういった背景から、私はシンガポールを早々に引き上げることを選んだのである。
by wata1150 | 2010-04-10 21:03