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中国で単身生活をすることになったTADAの日々の感じた事を気ままに書いてます。


by wata1150
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ベトナム紀行(2)

客先とのミーティングが終わり、ホテルに帰る道すがら、何気なく日端を見ていて、古き寺院らしきものを見つけ、ちょっと留まって見学することにした。どんな宗教の、どんな謂れのある寺院なのかはまるで知らないし、ドライバーも英語で其処までは話すことが出来ない。しかし、すぐ見学に同意してくれたところを見ると、彼女もその寺院がそこそこのレベルの寺院であると思って入るようだった。しかし、寺院の前に降り立っても、観光客の姿は無く、学生が数人寺院の中庭を帰宅の近道にしているらしく、通り過ぎて行っただけであった。
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寺院の門は石造りで、一見するとなかなか重厚なように見える。門の上部に漢字が書かれていた。が、ぼやけてしまっていて、どう読めばよいのか分からない。しかし、漢字であることから、古い中国の影響を受けている寺院であることだけは理解できる。この門の造りは、あまり見たことの無いつくりである。ベトナム地方独特の造りなのか、インドシナの各地の影響を受けた造りなのか、またはやはり中国の影響を受けているつくりなのか。説明文はあったが、ベトナム語でまったく理解できない。屋根の先端の渦巻きや、屋根の最後部の上に見える太陽らしきものは、どういった意味を持つのであろうか。
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石造りの門から中に入ってみると、其処は広い中庭になっていた。ほぼ左右対称になっており、正面には長方形の池が配してあった。池には橋がかかっており、奥の本殿に向かうにはこの橋を通って進む。池には魚がいるわけではなく、ただ水を張っているだけであった。
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池に架かる橋を渡ると、不思議な大木が目に付いた。葉はまったく無い。幹は大きなこぶがたくさんあり、その異様さを助長する。ベトナムは亜熱帯、または熱帯であり、樹木は広葉の常緑樹が多いと思っていたので、この葉の無い樹木は不思議である。

池を渡ったところの左右に鐘楼及び鼓楼が配してあった。この大きさや高さはまったく同じで、中に釣鐘及び太鼓がぶら下がっていた。この、鐘楼、鼓楼の屋根は先端で大きくアーチ型に細く突き出しており、中国の陣などでも良く見られる形である。やはり、中国の影響を強く受けた人であることがわかる。

正面に平屋建ての本堂がある。中に入ってみると、祭壇がある。
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ほかは左右に一対の像があるだけである。この像、よく見ると、亀の上に鶴が立っている。いわゆる鶴亀である。日本では鶴亀伝説があり、また縁起物として知られるが、その起源は儒教にあったのか?などと思わざるを得ない。
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本堂かと思って入ってみたら、なんと祭壇だけ、そしてその後ろに本堂と同じ大きさの別の建物があり、其処に何個かの本尊と思しき像が並べて安置されている。
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良く見ていると、仏様ではない。学者っぽい。どうもこれは儒教、そして祭られているのは儒学者たちであると思われる。私は儒教のお寺は初めてであった。儒教にもお寺があるのか、と始めて知った次第である。

本堂の脇にある細長い建物に入ってみた。其処は茶室であった。
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茶室はきれいに整頓されており、清潔が保たれていた。いつでも客が来てお茶を飲みながら談笑できるようになっている。これもまた、中国文化の影響か。

茶室の外、本堂との間に2本の石塔が立っていた。本堂の反対側にも同じように立っている。
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この石塔は中国文化という感じではない。どのような文化がベースになっているのか。一見するとタイの仏教寺院などの外壁にあるような彫刻の感じに近いが、彫刻されている内容がぜんぜん異なっている。不思議な石塔である。

約20分ほどのちょっとした観光であったが、「ベトナムに来た」と言う感覚になり、満足してハノイ市のホテルへの帰路に着いた。
by wata1150 | 2009-02-22 09:22