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中国で単身生活をすることになったTADAの日々の感じた事を気ままに書いてます。


by wata1150
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恵州における住宅価格

私がこの恵州に来たのは今から2年前であった。当時からマンションの建設ラッシュであり、販売ラッシュであった。

恵州におけるマンションの購入は多少、日本と異なる。日本ではマンションの建物の中に区切られた部屋があり、その部屋をドアで区切ってスペースを作り、区切られたスペースの中に内装を施し、上下水道設備、キッチン、トイレやバスを配置し、床を敷き詰め、壁紙を張り、すぐに入居し居住できる状態のものを購入する。

中国ではただスペースを購入するだけである。ドアも無い、床も天井もライトも水道の無い。スペースを「1平方メートルいくら」ということで購入する。そして、別途自分で内装屋さんや設備屋さん、床を張る業者、壁紙を張る業者と契約し、別料金で内装をする。概して、内装料は安くない。

さて、2年前のスペース購入価格は、おおよそ1500元から2000元程度であったと記憶している。これは無論地域によっても異なり、上海などはこの10倍以上もするのではないだろうか?100平方メートルを購入するとおおよそ15万元から20万元ということになる。一元を15円と換算すると225万円から300万円ということになる。

さらに、内装料が必要である。内装はその内容によって大幅に異なるが、スペース料とほぼ同額程度というのが一般的なようである。従って、日本式に考えるマンション購入価格というのは30万元から40万元程度、日本円では450万円から600万円程度になるのであろう。

恵州の平均的サラリーマンの給料は2000元程度であろうか?夫婦共働きで4000元から5000元が精一杯であろう。年収にすると5万元から6万元となる。従って、その半分を生活資金に当てたとすると、2万5千元から3万元程度をローン返済に充当できる。

ここ恵州では、住宅価格は平均年収の10倍から15倍くらいの値段なのである。実はこれは非常に高いレベルであると思う。日本は絶対価格としては世界でも有数の住宅価格が高い国であろう。しかし、個人所得も高い。平均年収が500万円、マンションの平均価格は3000万円から4000万円程度と考えると、6倍から8倍程度であり、中国のサラリーマンよりずっと購入しやすいということが言える。

この価格だが、中国の不動産バブルとでも言うべき経済に押し上げられ、今年2008年夏ごろまでは上昇の一途をたどった。ピークには一平方メートルでおおよそ4500元程度にまで値上がりしたのである。なんと一年半ほどで二倍以上になったということである。

中国人の目から見れば、今、無理をしてでもマンションを買えば、2年後には2倍になる。それを売れば、大きな利益が転がり込む。そんな思いから、月収数千元程度のサラリーマンまでもが、必死で頭金を貯め、銀行から借金をしてマンションを買い漁ったのである。いわゆる投資目的である。

しかし、バブルは確実にはじけた。今年中ごろから、マンションの値下がりが始まった。一平方メートル当たり4000元程度だったものが今は早くも3000元を切っている。それでもなかなか売れないらしい。携帯電話には、マンション販売のコマーシャルが連日のように飛び込んでくる。売れていたときは、さほど目にすることも無かったのだが。

我が社のスタッフの何人かは、この高値のマンションを購入した。当たり前といえば当たり前かもしれない。中国人にとって景気や物価が変動することについて、あまりにも無経験過ぎるといえるからである。一様にしか変動しないと思っているのである。物価、景気、自分の収入などは上がることはあっても、下がることは無いと信じてるのである。

我が社のスタッフのほとんどは、居住目的であるから、それでもいいのかもしれないが、投資目的で購入した人にとっては辛いと思う。日本の低金利とは異なり、中国の銀行貸出金利は高い。7%程度である。しかも、価格は下落し、そして売れない。物件を保有せざるを得ず、しかもローンを払い続ける必要がある。

今後マンション価格はどこまで下落するのか、そして落ち着くところはあるのか、再度上昇に転ずることはあるのか、きわめて興味深い。
by wata1150 | 2008-12-10 09:40 | 恵州の事