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中国で単身生活をすることになったTADAの日々の感じた事を気ままに書いてます。


by wata1150
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離職率

最近老板や総経理と話すことの話題の中に中国における離職率の高さということがある。特に、工場のオペレータと言われる作業者の離職率が高い。我が社も例外ではない。給料が低いから、と言う理由ならば納得も出来るが、自分の可能性を試したいから、とか、作業環境が自分に合わないからとかいう理由になると、少々不可解になる。

特に最近では、中国の所得水準が向上し、工場従業員が実家からの仕送りを受けつつ、就労していると言う事例もある。こうなってくると、離職率の低下を図るにはどうしたらいいかということに対し、全く解らなくなる。私もある日本の会社で30数年勤務したが、離職率などという言葉はなかった。

我が社に3人いる日本人の一人に、過去3年間の毎月の離職者の集計データを整理してもらった。そのデータを見ていると、千数百人いる我が社の工場オペレータに関しては、毎月10%以上の離職率である。つまり、年間に採用した人のほとんどが年内に離職していると言う現実なのである。更に、離職者の中には1カ月未満、時には入社一日で退社などと言う人さえいる。これは何なのか? これでは従業員教育も出来ないし、やっても退職すればまた新しく採用した従業員に対して教育するしかない。こんなことでは、すべてが徒労に思えるほどである。

離職率が高くなる時期が年間に2回ある。一回は2月ごろ、そしてもう一回は8月である。これは頷けないことは無い。1月~2月にかけ、中国の旧正月、いわゆる春節がある。一年間、工場労働者として仕事をし、幾許かのお金を持って遠い実家に帰り春節を祝う。春節が終わったらまた都会に戻り、工場労働などに従事し、仕事をしてお金を稼ぐ。もう一回離職のピークは8月である。これは、中国のほとんどの学校が9月から始まることによる。つまり、お金を稼いで就学し、お金がなくなったら休学または退学して、工場に入社し、労働に従事し、お金が貯まったら復学する。そう言ったパターンが少なくは無い。そう言ったときには離職率は15%とか20%、或いはそれ以上になるらしい。しかし通常でも10%弱程度の離職率があり、毎日何人かの人が退社して行く。無論毎日のように入社する人もいるので、工場としては、何とか稼動できてはいるのだが。

ちゃんと手続きして離職する人はまだ良い。何も言わず、ある日突然いなくなることだって珍しくは無い。そんな人は、どのような気持ちで入社するのであろうか。

給料条件は近在の各社より多少はいい。福祉も悪くは無いと思う。近在の各社も結構離職率は高く、苦しんでいるようである。ジョブホップと呼ばれる、キャリアを積んで転職を繰り返す方法で少しずつ給料を上げてゆく方法が一般的に存在する中国ならではの現象と捉えてしまえば、それまでなのかもしれない。

中国の文化がそうさせるだとか、教育レベルが低すぎるだとか、教育のやり方が悪いだとか、親が子供のしつけを怠ったとか、いろいろ言われる。せべてが、一応ある程度あっているのであろう。従って、なかなか我々のような外国人にとっては理解し難く、またなかなか解決策を見出せない問題である。
by wata1150 | 2008-08-31 00:15