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中国で単身生活をすることになったTADAの日々の感じた事を気ままに書いてます。


by wata1150
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上海(2)

初めて上海を訪れたのは初めて中国に足を踏み込んでから結構時間が過ぎていたとおもう。当時は主要客先が上海には無く、広東省に有った客先の顧客として数軒のお客がいた程度であった。上海浦東に初めて降り立ち、上海市内に入ったとき、上海は他の中国の都市と色が違うことにすぐに気が付いた。高層ビルが林立し、タクシーやバス、乗用車などが道路一杯に走り、それまでの中国各地の都市とは明らかに趣が違った。まるで中国から外国に出かけたような錯覚を覚えたことを記憶している。

初めて中国を訪れてから数年後、初めて上海に降り立ち、上海のお客さん回りや市場の状況などを調べて歩いた。そして、初めて、上海には上海語があり、それは上海人で無いとわからないと言うことを知った。スタッフは当時広東省出身の女性で、私に「今のは、上海語だから、私にも全然理解できない」と教えてくれた。そして上海には上海の文化があり、同じ中国と言えども、北京の文化や広東省の文化とはそれぞれ微妙に異なることを学んだ。

上海を中心にして中国全土に販売チャネルを持つ大手ディストリビュータを見つけた。上海にあったあるディストリビュータからの紹介である。その、大手ディストリビュータに我々の商品を販売してもらうために上海通いが始まった。毎月数回は足を運んだ。その紹介してくれた客先や目標としたディストリビュータと何度か食事を共にし、お酒を飲んだ。その場所が徐家匯であった。が、当時は徐家匯が上海のどのあたりにあるのかさえもわからなかった。今でもその大手ディストリビュータに在籍していて、いつも我々とやりあったWLさんや、WLさんを紹介してくれたCBさんとは交流がある。

当時、私の理解では「上海」は、中国で最も中国らしくない、歴史的な史跡も無い、大きなビジネス社会という印象であった。したがって、北京に行ったときのような、感慨はあまり持たなかった。ホテルにチェックインし、お客様とビジネスの話をし、レポートを作成し、シャワーを使い、時々お客様と食事をし、お酒を飲む程度、東京や横浜にいてすることとほとんど変わらなかった。

だから、私の個人的感覚で言えば、上海は中国で一番面白くない都市であり、好きではなかった。この感覚は今でも多少はある。それで、いま上海に生活をしながらでも、私をして週末や休日に中国的なもの、中国的な場所、とくに古い時代の面影が見える場所へと誘うのである。

上海に来て11ヶ月が過ぎた。あと3週間で12ヶ月、丁度一年になる。言葉の壁に苦しみ、それでも何とか中国人の何人かと知り合いになり、夜遊びも多少は出来るようになり、仕事の上での知り合いも多少は広がってきた。
上海に来るときに始めた「TADAの上海日記」というブログ、一年間続けてこれた。無論直接業務に関することは書けないから、遊び、観光、生活などの話題が中心になる。内容も、薄っぺらな物が多くて、気恥ずかしい。それでも「継続は力なり」と言う言葉を信じ、何とか続けてきた。ブログへの投稿の為の取材旅行なんてこともあった。

いま、振り返ると、私のなかの上海像は大きく変わった。無機質で、ビジネス一辺倒で、古いものが追いやられ、新しい文化が街中を席巻し、情感も、ゆとりも何もないと思っていた「上海」だったが、今は生活の場であり、無機質と思っていた生活空間にも有機的に人間が結びつき、熱い情熱が飛び交っている。古いものも置き去りになっているのではなく、点在して綺麗に保存され、誰もが見て触ったり、味わったり出来るようになっている。まさに、非常に人間臭い現代都市なのである。
生活環境も、他の中国の大都市に比べると、我々外国人にとっては住みやすい環境だと思う。地下鉄が走り、高速道路が整備され、輸入食品や海外資本のデパートやスーパーが点在している。北京や広州、重慶、天津といった大都会とは全く違った環境なのである。無論、あまりにも急速に近代化、欧米化してきたために、社会的な矛盾がいたるところに見られる。しかしこれは時間と共に、徐々に解決されてゆくだろう。

いま、上海を去らねばならないという事態に直面している。再就職先はいずれ決まるだろうが、必ずしも上海とは限らない。上海が依然として好きな街ではないということに変わりは無いが、出来れば上海にこのまま住み続けたいものだ、と最近では思うようになってきている。私の「夢」の実現に向けて、その基盤としてはベストかもしれないと思えるようになってきたからである。

「TADAの上海日記」も今回で200回目の投稿を迎えた。我ながら、ほめてつかわしたい、とおもう。最近は一週間で200人から300人の人が覗いてくれるようになった。コメントのやり取りをしながら何人かの人とは実際にお会いしたり、メールのやり取りをしたり、と、いわゆる「ブログ友達」も増えた。皆さんに感謝の気持ちで一杯である。そして、何とか「TADAの上海日記」を継続したいと強く思っている。
by wata1150 | 2006-06-21 13:01 | 上海