ワールドカップ ドイツがイギリスに快勝
2010年 06月 28日
精神的なひいきとしては、私はイギリスに肩入れする。無論好きな選手がいるわけではない。ドイツ、イギリスのメンバーで名前を知っている知っている選手は一人もいない。以前はベッカーというスーパースターがいたが、今は引退している。ドイツでもカーンという名ゴールキーパーがいた。今は彼もまたいない。
なぜ英国に肩入れするのか?単純である。サッカーの発祥国だから。それだけの理由である。オリンピックで柔道だけは日本が勝利して欲しい。柔道の発祥地だから。それだけである。
それと、英国やドイツをはじめとする欧州のサッカーを見ていると気持ちが良い。非常に紳士的にスポーツをするからだ。ラフプレーが少ない。流れるようなパスと、きれいなボールコントロール。まさに、芸術的な感じさえする。この間みた、オランダと日本のゲームや、デンマークと日本のゲームもそれに近かった。そういった意味では日本もそういうレベルに近づきつつあるのか。
さて、英国とドイツのゲームはドイツが2点を先行した。しかし、どちらも得点差を意識させないプレーが続く。英国がヘディングシュートで1点を返し、反撃体勢に移った。そして、私にとってはこのゲームの転機と映ったシーンが起こった。英国のシュートがクロスバーに当たり、一旦ゴール内部でバウンドして再びゴールの外に出た。TVではこのシーンは繰り返し放映され、明らかにゴールであったことは間違いない。
しかし判定はノーゴールで、ゲームはそのまま続行された。英国チームが判定に食って掛かることも無く、淡々と一進一退でゲームは進行した。そして、英国は動転を求めてバックスまでが攻撃参加し、再三にわたって、チャンスを作るが、ドイツの攻守に阻まれた。バックスが攻撃参加したことで、手薄になった守備陣を疲れ、ドイツのカウンター攻撃で更に2点を失い、英国の敗戦は決定的となった。
私は、このノーゴールと判定されたこの瞬間が、このゲームをドイツに勝利を引き寄せたと見ている。これがもし、ゴールと判定されていたなら、英国は同点を狙っての、バックスまでもが攻撃参加しての無理な攻撃はしなかったろうし、したがって、あとの2失点は無かったかもしれない。この”幻のゴール”がその後の両チームの作戦に大きな影響を及ぼし、そして勝負を分けたと思うのである。
最近のスポーツは展開が速くなり、人間の目だけでは判定しにくいケースも多々発生している。そこで、アメリカンフットボールでは、正式にビデオ判定を求めることがルール化されているし、最近いろいろと不祥事で紙面をにぎわせている日本の大相撲でも、ビデオ判定を判定に利用されてきている。サッカーではそれはまだ無いようだが、今後、こういうケースが多発してくると、将来的にはビデオ判定が持ち込まれてくるのかもしれない。
それにしても、ドイツのメンバーも、英国のメンバーもその後判定の瞬間を忘れたかのように以降のゲームを精一杯プレーしていた。華麗に、そして紳士的に。さすがはサッカーの発祥国英国のプレーだと、感嘆せざるを得なかった。