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中国で単身生活をすることになったTADAの日々の感じた事を気ままに書いてます。


by wata1150
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ワールドカップ、日本の決勝トーナメント進出に思う

サッカー、ワールドカップで日本が決勝トーナメント進出を果たした。オランダ、デンマーク、カメルーンと同じ組だった日本が、この組でリーグ戦を行い上位2位以内に入るというのは決してたやすいことではなかったと思う。

カメルーンは、今回は予選敗退となったが、前回、前々回大会でアフリカ旋風を巻き起こした中心的国であり、メンバーが代わったとはいえ、侮れなかったはず。オランダは世界ランキングが4位という格上のチームである。また、デンマークも、今まで連続して決勝トーナメントに出場してきた強豪である。

欧州勢と比べれば体格で劣る日本が善戦し、勝利する道はチームの組織力と個々人のプレーの精度でしかなかったであろう。そして、今回はその組織力と精度を生かしきった成果であろうと思う。

話は変わるが、産業界で日本企業の強さを感じることがよくある。”MADE-IN-JAPAN”のブランド力をしばしば思う。この、中国の田舎町の小さな企業に身をおいて、日本メーカーの強さ、すばらしさを思い知らされることがしばしば有るのである。

MADE-IN-JAPANのブランドはどうやって確立されたのか。品質、性能、顧客対応、時間管理、その他いろいろな要素がある。「MADE-IN-JAPANだから壊れない、不良が無い。」こんなことを中国人スタッフが話してくれた。同じメーカーブランドでも、彼らはMADE-IN-CHINAではなく、MADE-IN-JAPANを欲しがる。

私は其処に、日本人の特徴を思うことがある。組織力、時間制度、物の精度、そして、人のたゆまぬ向上への努力。組織力で言えば全体の利益のための自己犠牲的発想。自分の手柄より、組織の手柄。こういう概念は個人主義的発想の国家からは生まれにくい。また、「メンツ意識」などという感情優先の感覚からはそういった組織力は生まれにくいのではないだろうか。無論その代わり、個人主義的感覚からは、個人の能力の向上心は強くなり、中には際立ったスーパーマンが生まれる可能性も有る。

サッカーは11人のメンバーがチームを構成し、ボールを相手チームのゴールに入れるゲームである。11人が皆で協力しなければ、勝利することは出来ない。しかし、各国のチームにはそれぞれ特徴がある。ブラジルやアルゼンチンなどの南米のチームは個人の能力が非常に高く、自在なボールコントロールから得点機を見出してゆくプレースタイルのような気がする。欧州チームはその大きな体を利用した高さの勝負や、強靭な体力を生かしたプレーが特長的である。

それに比べれば今回決勝トーナメントに進出した韓国や日本は体格的には欧米各国には明らかに劣る。また、サッカー選手を輩出する国家的社会的背景が異なる南米各国のチームに比べれば個人的なボールコントロール能力では劣っている。しかし、日本や韓国の特徴は明らかに、ボールコントロール能力や体格的なハンディをカバーして余りある組織力と、個々人の全体を見渡して状況を判断し、自分を、チームを変化させてゆく能力であろう。

こういう能力は産業界でのそれぞれの国の企業の特徴と奇妙に似ているような気がするのである。
by wata1150 | 2010-06-25 22:56